スタンフォードの自分を変える教室 [ラグジュアリー]
目標達成の「意志力」の正体を探り鍛える
「ダイエット中なのに、ついチョコレートに手を伸ばしてしまい、もう止まらない」「セールで安くなっているのを見ると、衝動的に買ってしまう」「仕事にどうしても集中できずに、気分転換してばかり」…。最初の意志を貫けずに、自分自身に負けてしまう。こんな経験をしたことは誰にでもあるはず。
米スタンフォード大学の心理学者の講義をまとめた本書は、誘惑に負けず、目標を達成するために必要な「意志力」の正体を探り、その鍛え方を学べる一冊だ。身近な事柄を題材に、平易な言葉で科学的分析が重ねられる説得力が、幅広い支持を集め、昨年10月末の刊行から現在までに45万部のベストセラーとなっている。
第1章では、意志力について〈「やる力」「やらない力」「望む力」という3つの力を駆使して目標を達成する(そしてトラブルを回避する)力のこと〉と定義。最終章まで、心理学の実験結果などを交え、意志力を発揮して「自分を変える」方法が説かれていく。
例えば、寝不足で意志力が低下するのは、身体や脳の主要なエネルギー源となる〈血液中のグルコースが細胞になかなか吸収されない〉ようになり、脳が〈軽度の酩酊(めいてい)状態と同じ〉影響を受けるためだと解説。睡眠をとるために「早く寝る」という目標の立て方では難しければ、〈夜11時をすぎたら、パソコンもテレビも消し、新しいことを始めないようにする〉という〈「やらない力」のチャレンジとして設定〉し直すという具体的な手段が示される。
最終章のテーマは〈自分自身をじっと見つめる〉。本書を読むと、さまざまな欲求や衝動が起きたときに、流されずに立ち止まり、その原因を見つめる自己認識の意志力に占める大きさを理解できる。(ケリー・マクゴニガル著、神崎朗子訳/大和書房・1680円)
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