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ジバンシイ、シャネル、ディオールが認めた、金糸の刺繍職人の技 [シャネル]

【7月29日】シルヴィ・デシャン(Sylvie Deschamps)が率いるフランス・ロシュフォールの刺繍工房「ベゴニア・ドール(Begonia d'Or)」では、金糸を使った美しい刺繍作品が手作業で生み出されている。

■金糸との出会い

 デシャンは、配管職人の娘としてドゥーセーブルで生まれた。ランジェリーに関係する仕事に就きたいと考え、1986年にロシュフォールのジル・ジャマン(Gilles JAMAIN)専門学校に進学。授業を登録しようとしたところ、ちょうど希望のクラスが締め切られていた。「その時、生徒指導員から、金糸刺繍の授業をとるようにすすめられました。そして金糸に触れ、即座にその質感に魅了されました」と振り返る。

 卒業後、リヨンに移り、6年間経験を積んだ。その後、ロシュフォールに戻り、1995年に専門学校の学長が設立した小さな刺繍工房「ベゴニア・ドール」を任された。工房には学校から学生たちがインターンとしてやってきた。

■0.5ミリの精度

 料理人のパートナーと11歳と13歳の二人の娘を持つデシャンは「黄金のまばゆい輝きに、磁石のように引き寄せられるのです。質感も好きですね」と語る。2010年には、卓越した技術が認められ、フレデリック・ミッテラン(Frederic Mitterrand)仏文化・通信相からメートル・ダール(Maitre d'Art、仏版人間国宝)の称号を与えられた。

 デシャンは金糸を指し、「これは私たちのお気に入りの金糸です。0.5ミリの精度が求められます。これで刺繍をするのは、容易では無いです」と 語る。主に使用するのは、12金の金糸だ。「高額な、24金の、金糸は特別なオーダーの時だけ使用します」

■刺繍はまるで『禅』

 近年「ベゴニア・ドール」では、ジバンシィ(Givenchy)」や「シャネル(CHANEL)」「クリスチャン ディオールChristian Dior)」「ジョン ロブ(John Lobb)」といったブランドの刺繍を請け負っている。また、モスクワにオープンしたフィリップ・スタルク(Philippe Starck)の「クリスタルルーム(Crystal Room)」のソファーや、ジュネーブの美術館に飾られたフィリップ・クレイマー(Philippe Cramer)のタペストリーの刺繍も担当した。

 刺繍には何百時間もの時間がかかる。「まるで『禅』のようです。エクササイズでいうならば、ヨガですね」とデシャンは微笑む。

■なによりも必要なのは情熱

 しかし、2000年から2004年の好況の年が去った後は、アトリエの仕事が減少してきている。フランス国内には廃業せざるをえなかった工房もある。「この2年以上、私たちは前例の無い危機を経験しています。なによりも必要なのは、情熱です」とデシャン。その情熱を胸に、「ベゴニア・ ドール」は宗教美術や室内装飾といった様々な分野で活動を広げている。「時に情熱は、山をも動かすもの
なのです」

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